言葉にならない不安
元気な子供たちが生まれきたのに、ベラは子供と出会えたことの喜びをあまり感じることができず、ずっと緊張したままでした。それに対して彼女の旦那さん、37歳のジョシュは3人のベビーたちを抱えて至福の喜びの中。そんなジョシュを横に見ながら、言葉にならない不安感に襲われるベラ。出産を終えてからずっと、なんだか嫌な予感がしていたのです。隣の部屋で行われていた新生児の健康診断の結果を確認するために担当の医師はベラたちのいる部屋から出ていきました。新生児は生まれた直後、退院に際して簡単な健康診断を受けるのが一般的です。健康に生まれた赤ちゃんのほとんどは簡単な検査だけで、特に重要なものではありませんし、深刻な問題が見つかることはほとんどありません。しかしベラはその検査の間もずっと落ち着きませんでした。
新生児の健康診断
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医師が検査結果の報告のため部屋に戻ってきたとき、ベラは根拠もなく何か悪い結果が待っているに違いないと予想していました。その予想が的中するかのように部屋に入ってきた医師の顔も曇っていました。かわいい赤ちゃんに囲まれて浮かれていたジョシュですら、その医師の態度から赤ん坊たちに何かが問題があったのかもしれないと気が付づき、その部屋全体が緊張に包まれました。夫婦はどうか最悪の結果ではないようにと祈りました。何かが起きていることは明らかでも、ベラとジョシュはそれを聞くための心の準備はできていないのが実際のところでした。心のどこかで出産もスムーズにいったのだし、嫌な予感はするけれども絶対大丈夫だと信じている自分がいました。